“過集中”というスイッチ
「集中しなきゃいけないのに、気づいたらスマホを見ていた」
「やる気はあるのに、どうしても始められない」
ADHDの人にとって、「集中」は大きなテーマです。
しかし一方で、ADHD特有の“過集中”というスイッチが入ると、驚くほど高い集中力を発揮することもあります。
この“ゾーン”に自分から入っていけたら、日常の生産性や達成感が大きく変わるはず。
この記事では、ADHDの人が自ら集中状態を作るための有効な方法を3つご紹介します。
ADHDがゾーンに入るための3つの方法
1. ポモドーロ・タイマーを使って脳を「区切る」
ポモドーロ・テクニックとは、「25分作業+5分休憩」を1セットとして、
集中と休憩を交互に繰り返す時間管理術です。
ADHDの人にとって、「時間を無限に感じる状態」では集中が持続しにくいことがあります。
だからこそ、ポモドーロのような時間の“見える化”と“区切り”が非常に効果的です。
【使い方のポイント】
- タイマーは視覚的にカウントダウンが見えるタイプがベスト
- 25分が長いと感じる人は「15分+5分」などに短縮してもOK
- 作業の開始スイッチとして使うのも◎
無料アプリやYouTubeにもポモドーロタイマーがあるので、気軽に取り入れられます。
2. ブラウンノイズで雑念をカットする
ADHDの人は、環境音や視覚情報に過敏で、外部からの刺激で集中が途切れやすい傾向があります。
そこでおすすめなのが、ブラウンノイズ(Brown Noise)。
ブラウンノイズは、ホワイトノイズよりも低音寄りで、心地よく脳を落ち着かせる効果があります。
耳栓代わりに流しておくことで、周囲の雑音をカットしながら集中モードに入るサポートをしてくれます。
【取り入れ方】
- YouTubeで「Brown Noise」と検索して流す
- ノイズ系BGMアプリを使う
- ノイズキャンセリングイヤホンとの組み合わせも効果的
「何か音がないと落ち着かない」タイプの人に特におすすめです。
3. スマホを“物理的に”離れた場所に置く
集中を妨げる最大の敵、それがスマホです。
ADHDの人にとっては、通知が鳴らなくても“手元にある”だけで気が散る原因になります。
一番効果的なのは、視界から完全に消すこと。
机の上ではなく、別の部屋や棚の中に物理的に置くだけで、誘惑を大幅にカットできます。
【効果的な工夫】
- タスク開始前に「スマホ置き場」を決めておく
- スマホを使う時間を「ポモドーロの休憩時間だけ」にする
- アプリ通知は一時的にすべてオフにする
「スマホは使うもの」ではなく、「離すもの」として使い方を変えるだけでも、集中力が大きく変わります。
3つを組み合わせると“ゾーン”が生まれる
ポモドーロで時間を切り、ブラウンノイズで雑音を遮断し、スマホを遠ざける。
この3つを組み合わせることで、ADHDの人でも自ら“ゾーン”に入るための環境を整えることができます。
集中を「気合い」で乗り切るのではなく、仕組み化してしまう。
それがADHDと上手に付き合っていくうえで、最も現実的でラクな方法です。
おわりに
ADHDだから集中できない、ではありません。
ADHDの脳には「集中しやすい条件」と「集中しにくい条件」があるだけです。
自分の脳の特性に合わせて、集中しやすい仕組みや環境を整えていけば、
驚くほどスムーズに作業が進むようになります。
今日から、1つだけでも試してみてください。
あなたの“ゾーン”が見つかるかもしれません。